炎色反応をしっかり学ぶ


やっと炎色反応のお話です。
前置きはここまでです。

さて、電子の軌道には内側からs軌道、p軌道…とあることがわかりました。
そして、それぞれにエネルギーがあることも学びました。

第5回に続いて再び水の話です。
水は、摂氏0度以下にすると氷になり、摂氏100度以上にすると水蒸気になります。
←水の状態変化のイメージ。0°C、100°Cで止まるのは融解・気化にエネルギーが使われるから
水がこうなるのは、その状態でいるのが楽だから。
非常に単純な理由です。
摂氏0度よりも摂氏100度のほうがエネルギーは高いです。
-100度の氷を0度にするより、100度にするほうが明らかにエネルギーが必要です。
そして、氷は「かちっ」と固く、水蒸気は水が「ふわー」としています。
エネルギーが高いほど、物質はビュンビュン飛び回るのです。

これは、原子、電子も同じです。
軌道に存在する電子は、エネルギーを与えると外側の軌道に移ります。
そのときにエネルギーを吸収します。
このことを「励起」というのですが、名前から想像できるもののどんなものか考えにくいので、何度も何度も「外に移る」と説明してきました。
水の例で考えると、水が水蒸気になるときはエネルギーを奪います。
だから打ち水はお家を涼しくしてくれるんですね。

温度が下がる、つまりエネルギーが低くなると電子は楽をしようとして内側の軌道に戻ります。
そのときに今度はエネルギーを放出します。
水が氷になるためには、水であるためのエネルギーを捨てて固体になる必要があります。
これが「エネルギーを放出する」です。
水の場合は熱エネルギーが放出されます。
では、電子の場合は?

そう、光のエネルギーです。
この光の波長が可視光線であるとき、人の目には炎色反応として認識されるわけです。
この色は、炎の中に入れる元素によって異なります。
励起した原子から放たれる光は原子内の電子のエネルギー準位が量子化されているため、特定の波長に限られています。

量子化とは、物理量を「とびとびの値」にすることです。
代表的な例は「アナログをデジタルにする」でしょう。
たとえば12時00分00秒の次は12時00分01秒ではありません。
1秒をさらに小さくしていっても、「これが12時の次の時間だ!」といえる値は得られません。
そこで、ある程度見切りをつけて「このくらい」とするのが量子化です。


階段も量子化されていますね。
「こちらの階段は12.5段です」なんてことはないですよね。
りんごの個数だったり、駐車場の料金だったり、「なめらかに変化しない」ということです。
言葉に惑わされないようにしましょう。

と、このようになっているので光のエネルギーが「とびとび」になっているのです。
太陽光はプリズムで分けるときれいな連続した虹になります。
しかし、水素の「とびとびの光」は赤。それと少しの青緑。
ほかは真っ暗です。
これは光の波長がまぜこぜになっていないからです。
そしてこれは元素に特有の値になっています。
したがって炎色反応は特定の光を放つのです。

では、次にそれぞれの元素が放つ色を見てみましょう。


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